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トランスナショナルプログラムを振り返って

2006.6.29 小野 淳史
斉藤 麻子
清水 史
中岡 起代子
平岡 留奈
松島 新吾

序文

 2006年春、三日間にわたり、本ロースクールにおいて、COEと共催の法科大学院等専門職大学院形成支援プログラムの一つとして、「コーポレート・ガバナンス」について勉強をするというトランスナショナル・ワークショップが開催された。参加者は、ペンシルヴァニア大学・ソウル国立大学・国立台湾大学から招いた学生と教員、及び早稲田の学生と教員である。このプログラムでは、日・米・欧の代表者が、それぞれ自国の様々な局面におけるコーポレート・ガバナンス制度を発表し、それをもとに参加者全員で議論を行った。三日間で、午前・午後に一つずつテーマが割り振られており(詳細は別途掲載されている表を参照されたい)、日本側の発表は全て本学の教授と学生による共同発表という形で行われた。
 本原稿は、そのワークショップのうち、日本における株主代表訴訟とコーポレート・ガバナンスの関係についてまとめたものである。発表したままの形で紙面化することを心がけたため、口語体の平易な英語で書かれている。また、6人の学生が順番に発表しているため、各人の個性が文体に現れており、一見するとまとまりがないように思われるかもしれない。しかし、簡素ながらも日本の株主代表訴訟の主な裁判例と法改正について概観できるようになっており、かつ、発表者の一人が株主オンブズマンへのインタビューから導き出した株主代表訴訟とコーポレート・ガバナンスに対する考察には興味深いものがある。是非一読されたい。
 しかし、発表者の一人としては、何よりも、3日間にわたり、早稲田のロースクール生が海外の学生や教授と協力して、コーポレート・ガバナンスに関する多角的な議論を展開できたということに最大の意義があると考える。司法制度改革の中で、日本のロースクール制度は動き始めたばかりであるが、やがては、このプログラムのように、国内外のロースクール生と自由に行き来し、闊達に議論を交し合う機会が増えるだろう。諸外国で同じように法律を志す学生と語り合い、悩みや苦労、法律の面白さ、クリニックやプロ・ボノ活動で人々の役に立ったときの喜びを共有することは、学生の視野を広げ、日常の勉学に対してもさらなるインセンティブを与えるものである。
 そして、このローレビューもまた、本学の学生の熱意の賜物であり、この原稿がその初めての船出に同行できることを嬉しく思う。ローレビュー及びこの原稿に接した学生の方々にとって、我々の活動が少しでも励みになれば幸いである。

文責:平岡 留奈


(トランスナショナル・ワークショップ 発表原稿)




上柳 敏郎
弁護士、ニューヨーク州弁護士、東京大学法学部、ワシントン大学(シアトル)LLM。

小野 淳史
東京大学法学部卒業。不動産会社勤務を経て、2004年、早稲田大学大学院法務研究科入学
斉藤 麻子
一橋大学法学部卒業。金融機関勤務を経て、2004年、早稲田大学大学院法務研究科入学

清水 史
早稲田大学法学部卒業。早稲田大学法学研究科公法学専攻犯罪者処遇法専修修士課程修了、2004年、早稲田大学大学院法務研究科入学
中岡 起代子
弁理士。東京理科大学理学部科卒業後、電機メーカー知的財産権本部勤務を経て、2004年、早稲田大学大学院法務研究科入学
平岡 留奈
早稲田大学法学部中退。2004年、早稲田大学大学院法務研究科入学。
松島 新吾
慶應義塾大学法学部卒業。2004年、早稲田大学大学院法務研究科入学。