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「Law&Practice」について

――村方先生はLaw&Practiceの初代編集長をなさっていたと伺いました。発刊当時の様子を教えて頂けますか。

村方:初めてこの企画を考えたのは1年生の夏でした。授業でレポートを書く機会があって、僕はそこでハーバードローレビューの歴史やその役割についてのレポートを書き、日本でもそういった法律雑誌が必要なのではないかと論じました。その後、ある飲み会でその話をしたら、「いいじゃないか、やろう」という話になって、5人くらいで始まったんです。
 実際の活動は2年生になってからでした。一番問題だったのは学校側が反対とは言わないまでもこの企画をすごく冷ややかに見ていたことですね。でも、20代や30代の貴重な時期を勉強だけで終わるというのは寂しいし、また、当時のロースクールには横や縦のつながりができるような環境もなかったので、そういった企画がないと面白くない。そういう話を説いて回ったんです。そういう中で最初に立ち上げに賛成してくれた堀(龍兒)先生[6]がしっかりとフォローしてくれた。

――発刊には苦労したこともありましたか。

村方:心が折れそうになることは沢山ありました。人数も集まって企画もあるんだけど、どうやってお金を集めたら良いかわからなくて、発刊までいかない。そこで、ウェブだったら安くできるからウェブから始めようということになりました。本については大変だしお金も時間もかかる。まずは資金調達を目指そうということになった。では資金調達はどうやってやるかというときに、堀先生が記念パーティをやろうと提案してくださって、色々なところに顔を出して趣旨を説明して、お金を集めてパーティをやった。こうやって、なんとか形にして「Law&Practice」の組織づくりをして、次の代にバトンタッチをすることになりました。

――そういった困難を乗り越えてもやりたいと思ったきっかけというのは何だったんでしょうか。

村方:なんでやりたいかっていうと、何より面白そうだったから。あと、やっぱり専門職大学院として勉強だけしていれば良いということについてものすごく反感というか問題意識を持っていました。というのも社会人や意識の高い人達が集まる大学院で勉強だけをするというのは、非常に資源の無駄遣いだし大学側が提供すべき付加価値として足りてないという風に思っていました。自分たちで何かをやるという雰囲気を作りたかったし、そういう雰囲気が実際にあったんです。それに、これが絶対に日本のロースクール制度にとって必要だという確信があったから、やれたんだと思います。

――私達の代でロースクール10期目を迎えますが、今の「Law&Practice」についてどう思われますか?

村方:よく頑張っているなという風に尊敬を込めて見ています。ただ,「Law&Practice」は現役生のものなので、どういう「Law&Practice」にするかというのは、現役生が思った通りにしていってほしい以外はありません。「Law&Practice」を使って自分を成長させて欲しい。そういう「Law&Practice」を支援していきたいという風に思っています。10年目にもなると変なプレッシャーとかを感じるかもしれないけど、自分たちが成長するためにどう使えるかという視点でわがままにチャレンジしていって欲しいです。早稲田ロースクールは「挑戦する法曹」を掲げているけども、まさにそれです。「Law&Practice」というものを使って何かにチャレンジするということ、それが「Law&Practice」を作った時の僕達の考えであり、希望。現役生が何らかの形でチャレンジできる媒体であってほしい、本当にそれなんです。


[6] 元早稲田大学大学院法務研究科教授。専門は民法・商法。

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