対談・インタビュー
Legal Professionals
臨床法学教育特集



2006.6.29(井桁大介、犬童淳平、趙誠峰)

脚注一覧
注1 平成13年6月12日に、佐藤幸治京都大学名誉教授を会長とする司法制度改革審議会が、一つの意見書を出した。これが、いわゆる司法制度改革審議会意見書である(以下、「意見書」)。意見書はTからXの五つのパートに分かれ、Vにおいて、司法制度を支える法曹の在り方という論点について意見を取りまとめている。パートVの、第2・法曹養成制度の改革という表題の下で、法科大学院のあり方について検討をしており、「目的、理念」の項では、「理論的教育と実務的教育を架橋する」という言葉を明確に用いている。http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/report-dex.html参照。

注2 早稲田大学では、民事法のカリキュラムとして、一年次に民法TないしW、二年次に民事法総合TないしVが必修科目として組み込まれている。民事法総合Vは、要件事実論を中心に、民事実体法と民事訴訟法を同程度に混合させて実施される、まさに架橋と呼ばれるにふさわしい科目となっている。

注3 早稲田大学では実務科目として、民事訴訟実務の基礎、刑事訴訟実務の基礎の二科目を二年次に必修として組み込んでいる。両科目とも実務家教員が担当教員として据えられ、学生は実務の基礎的知識を、訴状や起訴状の起案作業などを通して学習している。

注4 意見書のパートV、前文等参照

注5 現時点では、法科大学院の課程の修了を受験資格とする新しい司法試験(従来の司法試験とは全く別制度の試験)に合格した者は、半年間の実務修習を含む1年間の司法修習を経て、いわゆる二回試験に合格した後、法曹としての資格が与えられるシステムとなっている(裁判所法66条・67条、司法試験法参照)。

注6 2006年6月現在、全国で、法科大学院は、74校開校されている(文科省。http://www.mext.go.jp/)。

注7 準消費貸借を要件事実的に検討すると、旧債務の存在をどちらが主張立証するかという観点から、原告説・被告説が対立している。判例は被告説を採用し(最判昭和43年2月16日民集22巻2号217頁)、司法研修所は原告説に立つと言われる(司法研修所監修・4訂 民事訴訟第一審手続の解説−事件記録に基づいて− 46頁-48頁)。他方、松本博之教授(倉田卓次監修 要件事実の証明責任 契約法上巻 471頁-478頁)や森勇教授(別冊ジュリスト146号276頁 証明責任の分配(1)−準消費貸借契約)は折衷説に立つといわれる。

注8 新堂幸司「新民事訴訟法[第三版補正版]」(弘文堂、2005)518頁、上田徹一郎「民事訴訟法[第四版]」(法学書院、2005)378頁

注9 最判昭和33年7月8日民集12巻11号1740頁

注10 意見書、パートV、2.法科大学院、(2)法科大学院制度の要点、エ、教育内容及び教育方法、参照。

注11 @エクスターンシップ:外部の委託先(法律事務所・企業法務部・官公庁・NGOなど)に学生を一定期間派遣して、担任教員と委託先の指導担当者の監督下において実務を体験させる教育方法、Aクリニック:学生が、大学附属公益法律事務所において、弁護士教員の指導の下に、現実の事件処理に関与する教育方法、B模擬裁判:実際の事件を素材にして、教員の指導の下に事件処理を仮想的に行い、現実の実務を追体験する方法。別掲臨床法学教育特集参照

注12 前掲注10引用部分参照

注13 民事訴訟規則53条は、「請求を理由づける事実」のほかに、それに「関連する事実」の記載を求め、かつ、これらを「区別して記載」することを求めている。

注14 例えば最判昭和45年6月11日民集24巻6号516頁。高橋宏志『重点講義・民事訴訟法(上)』392−399頁(有斐閣、2005)

注15 意見書、パートV、第1・法曹人口の拡大、1.法曹人口の大幅な増加参照。法曹の数は市場原理によって決定されるものであると述べている。

注16 司法研修所編『問題研究 要件事実―言い分方式による設例15題―』(法曹会、2003)

注17 司法研修所編『紛争類型別の要件事実 ―民事訴訟における攻撃防御の構造―』(法曹会、1999)

注18 主に注16引用文献において用いられる問題方式であって、シンプルな形式で書かれた当事者の主張を要件事実的に分析する作業を通して、要件事実の本質を学修する方式。

注19 注6参照

注20 注3既出の刑事訴訟実務の基礎。司法研修所で用いられる、いわゆる白表紙を題材として、検察官教員から、捜査、公判の基礎を学ぶ。

注21 要件事実論の優劣の決定は、「解釈論の市場」に委ねられるべきだという加藤判事の見解。「法曹養成教育としての要件事実論」ジュリスト1288号50頁参照。

注22 大判大正3年12月15日民録20輯1101頁, 最判昭和29年11月26日民集8巻11号2087頁

注23 本サイト別稿参照

注24 代表的なものとして、川島武宜『民法総則』289頁以下(有斐閣、1965)、幾代通『民法総則』273頁以下(青林書院、第二版、1984)がある。なお、「予見可能性」という表現がされることもある。






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