対談・インタビュー
Legal Professionals
臨床法学教育特集

「移動の自由」を取り戻す闘いと法律家の役割
−鈴木訴訟原告代理人弁護士藤岡毅氏に聞く−
2006.12.16 藤岡毅法律事務所にて収録

<目次>
1.はじめに −事案の概要−
2.−訴訟提起前−
◇障害者福祉における弁護士
◇障害者と行政の力学
3.−訴訟について−
◇裁判所のバリアフリー
◇訴訟からわかる障害者福祉の実情
4.−判決について−
◇判決の意義−今後の障害者福祉に与える影響−
5.−判決の問題点・今後への課題−
◇判決の問題点−現行の行政訴訟制度が抱える問題−
◇判決後の行政の対応
◇研究者・ロースクール生へのメッセージ
文末脚注


1.はじめに −事案の概要−

−「外出は1日1時間しかできない」− こう制限されたら、私達の生活はどうなるであろうか。

東京都大田区在住の鈴木敬治さんは、平成15年4月1日から平成18年3月末日まで行われていた支援費制度注1 において、当初、外出のために必要な介護を月124時間受けていた。
ところが、大田区は、平成16年4月から、外出のために必要な介護の支給量を月32時間を上限とする要綱注2 を設け、鈴木さんの支給量を月32時間に激減させる処分を行った。 その後も同様の処分が繰り返され、鈴木さんは、平成17年8月に、月32時間の処分の取消し及び月124時間とする処分の義務付け、要綱の違法確認注3 を求めて、東京地裁に行政訴訟を提起した。
 その後、1年3ヶ月に及ぶ審理が行われたものの、平成18年3月末日に支援費制度注4が廃止 されたことにより訴えの利益が失われたとして、裁判所は鈴木さんの訴えを却下する判決を下した。しかし、判決理由の中で、支援費制度の下で行われた鈴木さんに対する支給量を月32時間とした処分は「違法である」と明言した。

 現在、障害者と行政・司法とはどのような関係にあるのか。現行の行政訴訟制度が抱える問題点は何か。この判決が、今後の障害者福祉行政にどのような影響を及ぼすのか。そして、今後、障害者福祉制度の中で法曹はどのような役割を果たすべきか。
鈴木訴訟の原告側代理人である藤岡毅弁護士にお話を伺った。注5


  fujioka 藤岡 毅

弁護士



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