homeronbunhyosyakukikakutoukouabout

対談・インタビュー

Legal Professionals

臨床法学教育特集

分配可能額計算システム



2.現在の状況 ―敷居の低い「普通」の雰囲気の法律事務所にしたい―

――法律事務所MAIMENはこういったスタンスや気持ちでやっているということがあれば聞かせてください。

稲村:そうですね、若さを生かして柔軟にお客様の気持ちに応えていきたいと思っています。面談の予約などもできるだけ相談者の方の都合に合わせて入れるようにしていきたいです。たとえば土日や夜間の相談対応など。もちろん既にそういった対応もしていますが、もっともっとニーズに応えていきたいですね。
 それから若さとともにフットワークの軽さも売りにしているので、「素早い事件処理」というのもこれからどんどん追及していきたいところです。

――事務所のWebサイトを拝見すると「今週のMAIMEN」というコーナーがあって、皆さんの仲の良さがうかがえる写真が載っていますね。共同経営者としてだけでなく、プライベートの付き合いもあるということでしょうか。

鏡味:そうです。むしろプライベートの付き合いの方が(笑)。休日もほとんど一緒に過ごしています。飽きないメンバーだからこそ仕事も一緒にやっていけているのかなと。

――事務所の基本的な情報はWebサイトで公開されているのですが、他のWebサイトや雑誌・新聞などで取り上げられたということはありますか。

鏡味:まちなみカントリープレス注2 発行の「NaO Four Seasons」いう長野県のタウン誌に情報を載せてもらっています。第1回は、事務所にはこういうメンバーがいてそれぞれがこんなキャラクターでとか、事務所設立の経緯などを紹介してもらいました。第2回以降は、コラム形式で連載しています。たとえば、主婦がある相談をしてきたという事例を設定して弁護士がこう答える、というような。事務所の特色としてフットワークの軽さと若さがありますが、もう一つ「予防法務」というのを考えていまして、この「何か紛争が起きる前にそれを予防しておく」という予防法務という考えがまだ一般に浸透していないので、それを広めるという目的もあります。
 その他は、須坂新聞というローカル紙で何度か取り上げていただいたり、弁護士ドットコムなどの各検索システムへの登録、それから親しくしているお店などがホームページにリンクを貼ってくれていたりします。

(1)弁護士の業務

――鏡味さんの仕事の概要を教えてください。

鏡味:法律相談は多く、そのうちの受任率も結構高いと思います。訴訟事件は3割くらいで、協議離婚の交渉など訴訟まで行かない示談交渉事件や労働事件が多いですね。今は清算法人の代表もやっています。
 日々の業務としては、昼間は訴訟や調停に行ったり、依頼者の家で相談を受けたり、刑事事件の接見に行ったりしています。朝から上田や松本まで車を飛ばして行くこともあります。書面の起案などは専ら営業時間が終わってからですね。

――清算法人の代表についてもう少し詳しく聞かせてください。

鏡味:須坂の結構大きな公益法人が4月くらいに解散したんです。清算人が何人かいて、その代表が僕なんです。弁護士は僕だけで、税理士さんとかと一緒に解散後の財産の処分などを行っているんですが、これがなかなか大変なんですよ。今ある財産のうちでマイナスを賄わないといけないので。具体的には、たとえば土地を売って市内にある電柱などを撤去する費用を捻出するなどして、最終的にきちんと帳尻を合わせなくてはいけないんですが、そのためにはまず土地が売れないといけないというのがあるのでそれが大変なんですね。土地が売れた上で電柱撤去なんですけど、撤去費用も業者によって全然違うので値下げ交渉して、「3千何百万円がようやく2千5百万円くらいになって、土地が2千万円で売れれば、残りの財産は1千万円だから建物も売れば何とかなるんじゃ」とか話し合うんです。

(2)事務員の業務

――さっきから電話がひっきりなしに鳴っていますが(笑)、一日にどれくらい鳴るんですか。

稲村:そうですね、掛けるのと受けるのを合わせて2、30件ですかね。月曜が多いです。土日でたまった分が来るのかもしれないです。

――事務員の方の仕事の概要を教えてください。

稲村:私は9時から事務所にいて定時は一応17時までですが、最近は忙しいので17時以降も残ることが多いですね。20時ぐらいまではだいたい仕事をしています。
 一日のスケジュールは、9時に来て、観葉植物に水をやって、前日のメモを見て整理してメールチェックをして、破産とか過払いとか事務員がメインでやることを整理していって、という感じですね。あとは鏡味から指示された仕事を適宜やります。たまに市役所や郵便局に行ったり、お客様が来た時にはお茶をお出ししたり。

――9時から17時までが定時と仰っていましたが、事務所自体は9時から19時までやってらっしゃいますよね。

事務所内部

稲村:はい。私と金沢は一応受験生なので(笑)、17時に上がれた日は事務所の机を使って勉強しているという形です。電話は取りますし、お茶もお出ししますけどね。

鏡味:尾西は行政書士資格を持っているので、行政書士の仕事も個人的にしつつ事務員もしてくれています。登録申請とかであちこち行くので、昼間はあまり事務所にいないですね。金沢は、今日は今受けている遺産分割調停事件の関係で銀行や法務局に行ったり、あとは先ほどの清算法人の関係で取引先に行ったりしています。今はちょうど時期的に忙しいです。ただ、どんな時も事務員は必ず一人は事務所にいる形にしています。

(3)須坂市住民との関係性

――長野の弁護士では鏡味さんが一番若いのですか。

鏡味:
そうです。北信地域では同い年の人もいないですね。

――26歳の若い人がいきなり独立した事について、地元の弁護士会の反応はどうだったのでしょうか。

鏡味:正直な話、長野に地縁がなくていきなり飛び込んできたので「異分子だ」という感覚はあったと思うんです。最初は特に。若くて元気のいい奴が来たというのはあったと思うんですが、若いから積極的にフォローしてやろう、仕事を回してやろうということは、全くなかったですね。歓迎して下さる人もいれば、変な奴が来たなという人もいれば、どっちでもない人もいるというか、新しい人が来る時にされる普通の反応ですね。今の段階でも、弁護士とのつながりでやっている仕事は、2、3件くらいですかね。あとは全部自分でとる仕事です。

――若いからといって甘く見られるとか、そういうことは無いですか。

鏡味:それは無いですね。ただ、依頼者の方でWebサイトなどの事前情報無しで来ていただいた方には「あらまあ、こんな若い人が」とびっくりされることはあります。もちろん仕事はきちんとするので、最終的に若いからということで敬遠されたりする事は今のところ全く無いですね。依頼者が年長者でも、ちゃんと扱ってもらえます。
 あと若さの利点という点で、若いから話しやすいというのもあるみたいです。特に若い相談者の方は、歳が近い方が自分の話も分かるというか、特に離婚などの場合、あまり年上の人には相談しにくいとか話しにくいとかいうこともあるので、「Webサイトを見て自分と歳が近いから話しやすそうだし、雰囲気も良さそうだったので来ました」という人が結構いるんですね。年上の方も、法律事務所と言われてイメージするのが、「おじいちゃんとかおじさんがどっしり構えていて、ゆっくりしゃべって、ちょっと偉そうで、恐縮してしまう場所」という感じで、ちょっとした覚悟を持って事務所に来る人が多いみたいです。実際に来てみたら話しやすくて良かったと言ってもらえることが結構あります。だから、気付いてないところで若さのデメリットがあるのかも知れないですけど、感じているのはメリットばかりですね。
 法律事務所の敷居を下げたいという気持ちが元々あったので、今までの法律事務所と違う色を出して、弁護士だから偉いとか法律事務所だから仰々しいとかそういうのをなくして、「普通」にしたいと思っています。弁護士の敷居の高さや品格・雰囲気を求める人は、ここではなくそういった方針の先生のところに行けばいいので、選択肢としてそうじゃない事務所もあった方がそれを選びたい人にとっては助かる。自分たちはそれをやると、そういうことですね。