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<5> シティユーワ法律事務所


今回は、Legal Professionals〜法律家を訪ねて〜の第5回目の訪問先として、シティユーワ法律事務所に訪問して、お話を聞かせていただきました。


1.シティユーワ法律事務所について

――本日は訪問を受け入れて頂きありがとうございます。今回はパートナーの片山典之弁護士、栗林康幸弁護士にご協力頂きます。どうぞ宜しくお願い致します。

片山: 東京シティ法律事務所・ユーワパートナーズ法律事務所という 2つの事務所が業務統合して、それぞれの名前の一部をとって新しい事務所名とし、2003年の2月に48名位の人数でスタートしました。

2006年10月現在、弁護士が85名、司法書士、外国人弁護士、その他パラリーガルやスタッフも含めますと、総勢200名弱です。

企業法務一般を扱っており、フルサービスを提供するということで、訴訟・倒産から知的財産権まで、色々な分野の仕事を手がけています。 最近話題の分野ですと、M&A、企業買収の分野の取引に関するアドバイスや、金融取引などです。特に、資産の流動化や証券化と言われているような取引についてのアドバイス、 あるいは契約書の作成、契約交渉、その他資産の調査などを行っています。

――いわゆる渉外事務所が扱っている案件、という感じでしょうか。

片山: そうですね。留学経験や海外経験のある弁護士を中心に、一般的な国際取引なども扱っています。 M&Aや証券化などいわゆるtransactionalな案件(取引実行にあたってのスキーム作り、契約作成、契約交渉その他の法律的なアドバイスを扱う案件)を中心として、 ファイナンス、コーポレート分野は、英米流の契約スタイルや交渉術が非常に影響していますので、そういう経験のある弁護士が強みを発揮する機会が多いところです。

それから、他の大手の渉外事務所とは少し違った部分として、国内の紛争案件や、通常の民事事件や倒産事件なども扱っています。 業務統合前の東京シティが、国内紛争案件中心の事務所だったからです。

――案件に関わるときには、チームを組んでというやり方もあるのでしょうか。

片山: そうですね。事務所に在籍する弁護士は、パートナー(共同経営者)と言われる弁護士と、アソシエイトと言われる勤務弁護士に大きく分かれます。

事務所で受任する案件については、責任をもって案件に携わる担当のパートナーが、どのアソシエイトと協力をして仕事を進めるかを決めることになっています。 最小の単位はパートナー1人とアソシエイト1人ですけれども、大規模な案件になるともっと多くの人が関わってチームを組みます。

――新人の教育も同じようにパートナーの方と組む形になるのでしょうか。

片山: 若い弁護士の教育は、OJTが基本になります。

今は、入所してから最初の1年半は6ヵ月間ずつ3サイクルという形でローテーションを組み、パートナーを"コーポレート"、"ファイナンス・金融取引"、"訴訟や倒産などの紛争案件"の3つのグループに分け、各グループを回り様々な案件に携わり、パートナーと仕事をしてもらう機会を設けています。

栗林: この事務所の特徴は、それぞれの分野できちんとしたバックグラウンドがある人が集まってきて、多様な文化の人たちが上手く並び立っているというところにあります。 この特徴を上手く生かすためには、アソシエイトとパートナーの関係を初めから固定しないことが大事なんです。色んな人と仕事をするということは、 色んな仕事のやり方をしている人と一緒に仕事をするということなので、その中で新人は自分の適性や将来像が見えてきますし、事務所もその人の適性が見えてきますから。

――先程合併のお話が出たんですけれども、どういうきっかけで合併の話というのが出てきたのかを教えて頂けますか。

片山: 合併の1年位前に話が出てきました。

東京シティは国内紛争案件が中心の事務所でしたが、コーポレート関連の取引なども扱うためには、やはり規模を拡大・充実させないといけないという気持ちがあり、 ユーワパートナーズは中堅の渉外事務所だったので、お互いに弱かった分野が強くなるようなイメージを割りと早く持つことができました。

さらに、双方の事務所が、パートナー間を色んな意味で平等にしようとか、透明なやり方でコストを負担しあうというポリシーを持っており、 古い体質の事務所のスタイルに疑問を持っていた若いパートナーが始めた事務所だったということもあります。

そのような事情で早く話が進み、早い段階で業務統合ができ、その後は順調に人も増えて、様々な分野の案件を手掛けられるようになったのです。

――「透明なやり方」とは、具体的にはどういうことですか。

栗林: それは、どういう風に事務所の経費を負担して事務所の収入を分けるか、という分け方の話なんですよ。 うちの事務所はそこを非常に分かりやすくしていて、費用をはっきり数字化して、使った人がそれだけ費用を負担しています。 そうすることで、たくさん人を使って仕事をするタイプの人と1人でこつこつ仕事をするタイプの人が両立できて、色んなスタイルの弁護士が集まりうるシステムになっています。 その結果として、人が入りやすいというようなことになっていると思います。

片山: 透明性というのはパートナーの側の話なので、事務所を選ぶことを考えている皆さんにはあまり関係ないかもしれませんが、関心がなくはないと思いますし、 そういう雰囲気は、1年目・2年目の弁護士に対する教育の仕方や熱心さにも影響してくると思います。 透明性やフェアなコストの負担があるから、事務所が一体として教育やシステムを考えるインセンティブが生まれるのではないかと思います。


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