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<9> TMI総合法律事務所


 
はじめに
 前回は、法務省民事局の坂本三郎局付、冨田寛局付、仁科秀隆局付、野上誠一局付を訪ねてお話を伺いました。
 今回は、その坂本局付・仁科局付と共に法務省民事局局付として、会社法を立案された葉玉先生にお話を伺ってきました。
 民事局局付としての任期を終えて東京地検に戻るものの、2007年春には弁護士へ転身し、 TMI総合法律事務所のパートナーとして活躍中の葉玉先生。
 司法試験予備校講師、検察官、会社法の立案担当者、東京地検特捜部、弁護士、ブログ運営。様々な顔を持ち、 既存の法曹像の枠に収まることなく、精力的に活動される葉玉先生の原動力、いままでとこれからをお話いただきました。






1.TMI総合法律事務所の概要


葉玉: どうぞなんでも聞いてください。まず、好きなタイプからですか(笑)。

――(笑)。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 今までは事務所をメインにお話を伺うスタイルというのが多かったのですが、今回はTMIのお話と葉玉先生個人のお話、両方伺えたらと思っております。 早速ですが、TMIの概要や業務内容などをお話し頂けますか。

葉玉: 基本的には企業法務全般についてやっています。よくTMIというと、IP(Intellectual Property:知的財産関係)が強いと言われますが、全体の25パーセントですね。そして、残りがファイナンスとコーポレートで半々ずつという形です。75パーセントが知財以外なんですね。そのような構成になっています。
今、弁護士の数が約140人、弁理士が40人くらいですけど、今年の秋にまた入ってきますので、専門家だけで言えば、200人を超えるような体制ですね。そして、外国のSimmons & Simmonsというイギリスの事務所やMorgan, Lewis & Bockiusというアメリカの事務所、それからカナダのWakely事務所というところと共同の事務所を持っていますから、そういったところのやりとりを通じて、日本法人だけでなく、外国法人も含め、かなりのところと取引をさせて頂いています。特徴的なのは、単純に上場企業だけではなくて、非上場の大企業というのも多いことです。実際にMBO(Management Buyout)をした企業や、上場はしないけれども売上げは上場企業以上のところなども幅広くお取引させて頂いています。


2.仕事の受け方・コンフリクトの問題


――新規のクライアントというのはどういった形で受けていらっしゃるのでしょうか。

葉玉: それは色々なパターンがあります。こういう分野が強い、ということでご紹介頂くようなこともありますし。 飛び込みでお客さんが入ってくるということも結構ありますね。

――葉玉先生を指名されるのですか。

葉玉: 指名というか、私のところに連絡がきて、実はこういうことで相談したいのですけど、ということでいらしたりですね。 コンフリクトがなければ、そういう形でも問題はありませんから。

――大きい事務所だとそういうコンフリクトの問題というのは結構大変なんじゃないかなと思うのですが。 葉玉先生は前職が弁護士というわけではないので比較的そういったことは少ないかもしれませんが、 別の事務所から移ってくるといった場合にはコンフリクトという問題は生じやすいですよね。

葉玉: そうでしょうね。ただ、コンフリクトと言っても、訴訟をしているということであれば、相当問題はありますけれども、 訴訟はしていなくて、こっち側は知的財産のことを相談しているけれども、向こうは全然別の分野の相談をするということはよくあることですし。 とは言え、大事務所になればなるほど顧問っていう契約を結びにくくなるっていう傾向はあるのではないかとは思います。 そういう場合は、事案ごとにやるしかないですね。

――アメリカの大規模な事務所などでは、事務所内でコンフリクトだけを事前に徹底的に調べるというような部署があるというふうに聞いたのですが、TMIにもそういう部署はあるのでしょうか。

葉玉: 部署として管理はしていないと思いますけどね。ただ、コンフリクトチェックは常に回ってきます。 一般的にはまずデータベースでコンフリクトがあるかないかということをチェックして、あとは表面には現れていないけれども、 その下の子会社であるとか、または逆に親会社とコンフリクトがあるっていうこともありますから、関係しそうなところは、メールなどで一斉に通知したりしています。 そして実際に可能性があるような場合は、お互いに確認したりしますね。



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